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ベトナムにおける IT 開発

 開発部でシステム開発を担当しているベトナム出身のCuong(クオン)です!
これからベトナムのことをたくさん紹介していきますので、どうぞよろしくお願いします。

今日はベトナムのIT事情についてご紹介します:)

 

過去 10 年間において、ベトナムは世界で最も IT・通信市場が成長した国の一つです。国際電気通信連合(ITU)によると、2005 年には 12.74%だったインターネット普及率が、2015 年時点で 52.72%まで上昇しています。また、ベトナム情報通信省の発表では、2016 年度末時点で携帯電話利用者は人口の 94%を占め、スマートフォン経由でのインターネット利用者は人口の 72%を占めます。こういったインターネットや携帯電話・スマートフォンの普及によって、ベトナム IT産業の著しい成長が支えられており、IT 産業の年間成長率はその他の産業分野の年間成長率より高くなっています。

 

 

世界の大手 IT 企業グループの投資等により、ベトナムはハイテク投資先として魅力的な場所となりました。また、FPT ソフトウェア社などの多くのベトナム IT 企業は世界規模で知られています。特に 2010 年から 2015 年にかけ、ベトナム IT 産業は飛躍的な成長を遂げています。2010 年の IT産業の総売上高は 76 億 USD だったが、2015 年には 495 億 USD に達し、5 年間で 7 倍増となっています。ベトナム情報通信省によると、2016 年の総売上高は 500 億 USD を突破すると見込まれています。

 

過去 10 年以上前から全国に IT 工業団地が開設されていますが、現在は 4 つの IT 工業団地(Quan Trung ソフトウェアパーク、Da Nang ソフトウェアパーク、Cau Giay IT 工業団地、開発中の Ha Noi ソフトウェアパーク)に分かれています。IT 工業団地に入居する投資プロジェクトに対しては、初めて売上計上した会計年度から 15 年間は法人税率 10%が適用されます。それとは別に、黒字化後 4 年間は免税、翌 9 年間は半額免税となります。そのため、半額免税期間の 9 年間のうち、初めての売上計上から 15 年間に重複する期間は税率 5%、重複しない期間は法人税率 10%が適用されます(現行の法人税率 20%を前提とします)。

 

海外からベトナムへの投資においては、ソフトウェア開発が最も成長している分野であり、ソフトウェア開発は、その他の工業・娯楽・サービス等の様々な分野の成長も押し上げることにもつながっています。過去数年間において、ベトナム市場は安い人件費で、かつ熟練した技術を持った人材がベースとなり、ソフトウェア開発をする上で世界でも最も魅力的な国の一つとなりました。

 

ベトナム経済の成長戦略において、政府は IT 開発を重視しています。2020 年には世界的な近代工業国になるという目標を達成するために、IT 分野は優先的に投資を呼び込む分野の一つと考えられています。IT 開発を促進するために、規制環境が改善されているので、ベトナムはアジア地域内では、多国籍 IT グループ、特に欧州、アメリカ、韓国、日本等の企業にとって魅力のある投資先です。

 

過去 10 年間にわたり多くの日系企業の投資を誘致し、高く評価されてきたベトナム投資の利点は、政府からの支援、インフラ状況、安定的な政治状況、文化的な近さ、人材の豊富さ、低コスト、情報セキュリティ整備状況などが近隣諸国に比べ優れている点です。IT 分野で日越双方の関係はより緊密になり、情報セキュリティ、テレマティックス、人材教育に関する多くの協定を締結しました。2015 年時点において、ベトナムは日本のオフショア開発先として第 2 位のパートナーで、ベトナム企業の日本市場向けソフトウェア開発による売上は 16 億 USドルでした。日本市場向けソフトウェア開発サービスを提供する企業は、経済成長が困難な時期においても安定的に 20-40%成長しました。そのため、ベトナムにとって日本は投資誘致の重要なパートナーとなりました。今後は、ベトナムと日本は電子商取引の技術開発を強化していく予定です。

 

ベトナム IT 産業の優れている点のひとつは、基礎教育を受け、技術知識を持つ若い人材が豊富であり、新しい技術を早く習得することができる点です。現在、IT 人材は 60 万人以上にのぼり、その内、ハードウェア・電子分野の人材が 30 万人以上で、残りがデジタル・ソフトウェア分野に勤務しています。ベトナムの IT 人材は成長を続けており、IT 企業の人材需要も高くなっています。Vietnamworks(ベトナム No.1 求人サイト)の報告によると、ベトナムでの IT 人材需要は 2013 年から 2016 年にかけ 2 倍となりました。一方、現状では技術的な専門知識を持つ人材であっても、語学力不足がまだ短所としてあるので、ベトナム市場へ投資する際、海外投資家にとっては障壁になっています。

 

近年にかけ、ベトナムは IT 技術のグローバル水準に追い付いてきました。携帯テクノロジー、クラウドコンピューティング、IoT、アウトソーシングは 2017 年に多くの企業に応用されることが見込まれます。その上、IT 産業は様々な分野に広がりつつあり、高い技術レベルの人材を求める分野だけでなく、サービス分野とも緊密な関係となってきています。

 

政策、インフラ、人材の条件が揃い、IT 産業は今後 10~20 年間においてベトナム経済を牽引する分野になる見込で、国内企業と海外企業いずれにとっても重要な投資機会となります。IT 分野において、海外投資家は政府に様々な支援を受けられる立場にあり、許可申請手続きのハードルも高くありません。それに加えて、IT プロジェクトは多額の設備投資は必要なく、中小・中堅投資家にとっても、ベトナム市場への投資について、好機が広がっている分野であるといえます。

 

これからもベトナムのIT事情や、文化や風習、グルメなどについてご紹介していきますのでよろしくお願いします。

 

Cuong

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