タイムスタディアプリ 運用上のQ&A

業務計測における分類基準や現場で迷いやすいポイントの解説

※本Q&Aは、厚生労働省資料の分類項目・記載例を参考に、現場での入力判断をしやすくするために整理したものです。実際の運用にあたっては、各事業所様のルールにあわせてご活用ください。

FAQ

よくある質問と解説

Q1 計測項目は具体的に、どのような作業が適用されますか?

直接介護、間接業務、休憩・待機・その他の各カテゴリの具体的な適用作業例は以下の通りです。タイトルをタップすると詳細が開きます。

直接介護
項目 具体的な作業例 迷ったときの判断
移動・移乗・体位交換 ベッドから車いすへの移乗、車いすから椅子への移乗、歩行介助、居室から食堂への誘導、体位変換、ポジショニング、立ち上がり介助 移動そのもの・姿勢変更そのものが目的ならここ。トイレや入浴のための移動でも、排泄介助・入浴介助が中心ならそちらに分類
排泄介助・支援 トイレ誘導、便座への移乗、ズボンの上げ下ろし、排尿・排便後の清拭、おむつ交換、パッド交換、ポータブルトイレ介助、排泄確認、失禁対応 見守りだけでも排泄動作の支援ならここ。単なる居室内清掃や汚染物処理が中心なら間接業務に寄せる
入浴・整容・更衣 入浴介助、シャワー介助、洗身・洗髪、浴槽出入り介助、清拭、洗面、歯磨き、整髪、ひげそり、爪切り、着替え介助、衣類選びの支援 浴室の準備・片付けだけなら間接業務の「入浴準備等」。本人への介助が中心ならここ
利用者コミュニケーション 日常会話、傾聴、気分転換の声かけ、安心感を与える会話、レクリエーション中の会話、家族の話を聞く、孤独感への配慮 訴え・不調・困りごとの把握が目的なら「日常生活自立支援」。単なる会話・関係づくりならここ
日常生活自立支援 起床・就寝の声かけ、眠れない利用者への対応、本人の訴えの聞き取り、生活上の困りごとの確認、本人が自分でできるように促す支援、生活リズムを整える声かけ 食事・排泄・入浴・移乗など専用項目に当てはまらない、生活上の自立支援をここに入れる
行動上の問題への対応 徘徊への対応、不潔行為への対応、昼夜逆転への対応、強い不安・興奮・拒否への対応、暴言・暴力・介護抵抗への対応、危険行動の制止、帰宅願望への対応 厚労省調査票の注記でも、徘徊・不潔行為・昼夜逆転等への対応が例示されています。通常の会話や見守りではなく、行動上の課題に対する対応ならここ
食事支援 食堂への着席支援、配膳後の食事介助、摂取量確認、嚥下状態の確認、食事中の見守り、声かけ、水分摂取支援、食後の口腔ケアにつなぐ支援 配膳・下膳そのものは間接業務。食べる行為への介助・見守りが中心ならここ
機能訓練・医療的処置 歩行訓練、立ち上がり訓練、関節可動域訓練、生活リハビリ、看護職等による処置補助、バイタル確認、服薬支援、湿布・軟膏対応、経管栄養や吸引に関わる補助 施設の職種・業務範囲によって扱いが変わりやすい項目。単なる移動介助ではなく、機能維持・回復、医療的管理が目的ならここ
その他の直接介護 上記に入らない直接的な利用者対応、レクリエーションの実施、個別活動 of 付き添い、外出時の直接支援、利用者本人への個別対応 直接介護でも上記に入らない個別の対応など。
間接業務
項目 具体的な作業例 迷ったときの判断
巡回・移動 夜間巡視、定時巡回、居室確認、フロア内移動、利用者の様子確認のための移動、ナースコール対応のための移動 利用者への介助が始まったら直接介護へ切り替える。見守り機器の画面確認は「見守り機器の使用・確認」
記録・文書作成・連絡調整等 介護記録、ケース記録、申し送り作成、業務日誌、勤務表・シフト関連書類、事故報告書、ヒヤリハット、職員間の連絡、文書検索 厚労省調査票の注記でも、利用者記録、勤務票、申し送り、職員間の連絡調整、文書検索等が含まれます。
アセスメント・情報収集 利用者状態の確認、ADL・IADLの確認、認知症症状の把握、家族情報の確認、生活歴の確認、ケア課題の整理、モニタリングのための情報収集 利用者に直接聞き取りしている時間でも、目的が情報収集・評価ならここ。生活上の訴えへの即時対応なら「日常生活自立支援」
介護計画の作成・見直し 施設サービス計画、個別援助計画、介護計画、モニタリング、評価、目標設定、ケア内容の見直し、カンファレンス準備 記録入力だけなら「記録・文書作成」。計画内容を考える・修正する時間ならここ
見守り機器の使用・確認 見守りセンサーの通知確認、睡眠状態の確認、離床通知の確認、カメラ・センサー画面の確認、アラート内容の確認 機器の通知を見て判断する時間はここ。その後に訪室して介助すれば、訪室後のケアは該当する直接介護へ分ける
ロボ・ICT準備片付け 見守り機器、介護ロボット、タブレット、インカム、記録端末などの充電、起動、設定確認、接続確認、片付け、保管、トラブル対応 厚労省調査票の注記では、機器の充電、セッティング、設定の確認・見直し、片付け作業等が例示されています。
職員に対する指導・教育 新人指導、OJT、介助方法の説明、記録方法の指導、ロボット・ICTの使い方説明、ケア手順の確認、事故防止の指導 厚労省調査票の注記では、ケアの内容や方法に関する指導、OJT等が含まれます。利用者への説明ではなく、職員への教育ならここ
食事・おやつの配膳・下膳 食事の配膳、下膳、おやつ配布、食器回収、配茶準備、食札確認、食堂準備、テーブル拭き 食べる動作への介助は「食事支援」。食事を提供するための準備・片付けはここ
入浴準備等 浴室準備、湯張り、浴槽確認、脱衣所準備、衣類・タオル準備、入浴用品準備、浴室片付け、浴室清掃 利用者の身体を洗う、着替えを手伝うなどは「入浴・整容・更衣」。環境・物品の準備片付けならここ
リネン交換・ベッドメイク シーツ交換、枕カバー交換、布団整え、防水シーツ交換、ベッド周辺の寝具調整、汚染リネン回収 利用者の体位変換を伴う介助が中心なら「移動・移乗・体位交換」。寝具交換が主目的ならここ
居室清掃・片付け 居室の整理整頓、床清掃、ゴミ回収、私物整理、ベッド周辺の片付け、ポータブルトイレ周辺の清掃、環境整備 利用者本人の生活動作を支援している場合は「日常生活自立支援」。職員が環境を整える作業はここ
その他の間接業務 物品補充、備品管理、会議準備、レクリエーション準備、掲示物作成、消耗品管理、洗濯物整理、委員会準備、上記に入らない事務・準備作業 厚労省調査票の注記では、レクリエーションの準備等が例示されています。
休憩・待機・その他
項目 具体的な作業例 迷ったときの判断
休憩・待機・仮眠 休憩、食事休憩、仮眠、待機時間、業務指示待ち、夜勤中の仮眠 休憩中でもナースコール対応などで業務に戻った時間は、該当する業務へ切り替える
余裕時間 突発対応が可能な状態で待機している時間、すぐ動けるが具体的作業をしていない時間、見守り体制を保ちながら手が空いている時間 厚労省系の様式では「突発でのケアや対応ができる状態」と説明される項目です。完全な休憩ではなく、業務中の空き時間として扱う
その他 会議、研修参加、来客対応、防災訓練、施設行事、施設外用務、分類不能な作業 直接介護でも間接業務でも休憩でもないもの。

Q2 作業前後の移動時間は、どの項目で計測しますか?

職員だけが移動している時間は、原則として「巡回・移動」で計測します。

たとえば、入浴介助のために職員が浴場から利用者さんの居室へ迎えに行く時間、次の利用者さんの部屋へ向かう時間、フロア内を移動する時間などが該当します。

分類:巡回・移動

Q3 利用者さんを居室から浴場まで連れて行く時間は、何に分類しますか?

利用者さんを伴って移動しているため、「移動・移乗・体位交換」で計測します。

入浴介助の一部ではありますが、浴場まで連れて行く行為の主な内容は「移動支援」です。そのため、入浴そのものとは分けて考えます。

分類:移動・移乗・体位交換

Q4 具体的には、入浴介助の流れをどのように分けますか?

次のように分けると、入力のブレを防ぎやすくなります。

場面 計測項目
職員が利用者さんの居室へ迎えに行く 巡回・移動
利用者さんに声をかける 利用者コミュニケーション、または入浴・整容・更衣
ベッドや椅子から車いすへ移乗する 移動・移乗・体位交換
居室から浴場まで連れて行く 移動・移乗・体位交換
脱衣、洗身、洗髪、浴槽への出入り、着衣 入浴・整容・更衣
浴場から居室へ送る 移動・移乗・体位交換
職員だけで浴場へ戻る、次の場所へ移動する 巡回・移動
浴室や物品を片付ける 入浴準備等

Q5 「迎えに行く」と「連れて行く」は、同じ移動でも分類が違いますか?

はい、分類を分けます。判断基準は、利用者さんを伴っているかどうかです。

状況 分類
職員だけが移動している 巡回・移動
利用者さんを伴って移動している 移動・移乗・体位交換

たとえば、職員が居室へ迎えに行く時間は「巡回・移動」です。一方で、利用者さんを車いすで浴場まで連れて行く時間は「移動・移乗・体位交換」です。

Q6 入浴介助のための移動なので、「入浴・整容・更衣」に含めてもよいですか?

原則として、利用者さんを伴う移動は「移動・移乗・体位交換」に分けて計測する方が望ましいです。

理由は、入浴そのものにかかる時間と、移動・移乗にかかる時間を分けることで、業務負担を正確に把握できるためです。

たとえば、浴室までの距離が長い施設では、入浴介助の負担の中に「移動時間」がかなり含まれる場合があります。これを「入浴・整容・更衣」にまとめてしまうと、どこに時間がかかっているのか分かりにくくなります。

Q7 すべて細かく切り替えて計測する必要がありますか?

原則は分けますが、短時間で主作業に付随する移動は、施設ルールとして主作業に含めてもかまいません。

たとえば、居室のすぐ隣が浴室で、移動が30秒〜1分程度の場合は、「入浴・整容・更衣」に含める運用も考えられます。

一方で、次のような場合は分けて計測した方がよいです。

  • 居室から浴場まで距離がある
  • 車いす移動に時間がかかる
  • 複数回の移乗がある
  • 浴室までの誘導や見守りに時間がかかる
  • 業務改善で移動負担を把握したい

Q8 トイレ誘導の場合、居室からトイレまでの移動は何に分類しますか?

施設の運用ルールによって分け方はありますが、基本は主目的で判断します。

トイレに行くことが目的で、排泄介助の一連の流れとして行っている場合は、「排泄介助・支援」に含めると分かりやすいです。

ただし、移動・移乗にかなり時間がかかる場合や、移動負担を分析したい場合は、次のように分けます。

場面 計測項目
職員が居室へ向かう 巡回・移動
利用者さんをトイレまで誘導する 移動・移乗・体位交換
排泄動作の介助をする 排泄介助・支援

Q9 食事のために居室から食堂へ誘導する時間は何に分類しますか?

利用者さんを伴って移動しているため、原則は「移動・移乗・体位交換」です。

食堂に着いてから、食事姿勢を整える、食事を介助する、摂取状況を見るといった時間は、「食事支援」に切り替えます。

場面 計測項目
職員が居室へ迎えに行く 巡回・移動
利用者さんを食堂まで誘導する 移動・移乗・体位交換
食事中の介助・見守り 食事支援

Q10 利用者さんを送った後、職員が浴場やステーションに戻る時間は何ですか?

職員だけの移動なので、「巡回・移動」で計測します。

利用者さんを居室へ送った後、職員が浴場、スタッフステーション、次の居室へ移動する時間は、直接介護ではなく間接業務として扱います。

分類:巡回・移動

Q11 作業前後の移動を計測するときの基本ルールは何ですか?

次の3つで判断すると、分類が安定します。

判断基準 計測項目
職員だけが移動している 巡回・移動
利用者さんを伴って移動・移乗している 移動・移乗・体位交換
入浴、食事、排泄などの主たる介助をしている 該当する直接介護項目

Q12 最終的な運用ルールは、どのように定めればよいですか?

次のルールにすると、現場で迷いにくくなります。

  • 作業前後の移動は、職員のみの移動であれば「巡回・移動」として計測する。
  • 利用者を伴う移動・移乗は「移動・移乗・体位交換」として計測する。
  • ただし、30秒〜1分程度の短い移動で、主たる介助に付随する場合は、施設ルールとして主作業に含めてもよい。

【入浴介助の入力例】

時間 内容 計測項目
10:00〜10:03 職員が浴場から居室へ迎えに行く 巡回・移動
10:03〜10:08 声かけ、車いすへ移乗、浴場まで移動 移動・移乗・体位交換
10:08〜10:25 脱衣、洗身、洗髪、浴槽出入り、着衣 入浴・整容・更衣
10:25〜10:30 浴場から居室へ送る 移動・移乗・体位交換
10:30〜10:33 職員が浴場へ戻る、片付ける 巡回・移動、または入浴準備等